ボランティア・寄付をする


「ボランティア」という形で労働力を提供したり、「寄付」という形で金銭や物品を提供することで、犬や猫の殺処分数を減らすことができます。

近年は「認定NPO法人制度」や「ふるさと納税制度」といった新しいシステムが誕生したことにより、犬や猫の保護活動を行っている団体に寄付をすることで、自分自身の節税にもなるという新たな流れができあがりました。

有名なところでは、広島県神石高原町が「ふるさと納税」を通じて数億円の寄付金を集め、「ピースワンコ・ジャパン」の活動資金になったという例があります。ボランティアという形で保護活動の前線に行くことも、寄付という形で後方支援することも、犬や猫の殺処分低下のためには重要な要素です。

次項では、個人が動物保護団体にボランティアで参加したり寄付をするときの基礎知識と注意点をご紹介したいと思います。

飼ったら捨てない


声を大にして言うことではありませんが、一度飼ったら捨てない。しかしながら、実際に途中で飼育放棄する人があとを絶えないという現実。一度飼うことを決めた犬猫を捨ててしまうには、幾つかの理由があると思われます。迎え入れる前のシミュレーション不足、飽き、犬の問題行動、うまくいかないしつけから感じられる自分自身の無力感、費用、介護、犬アレルギーなど色々です。

また近年は高齢者による飼育放棄が増加し、東京都福祉保健局が急遽「ペットと暮らすシニア世代の方へ」というパンフレットを作成・公開するという事態にまで発展しています。このパンフレットは、高齢化に伴う様々な問題を事前に食い止めるために作成されたものです。飼い主がある特定の問題に直面したとき、具体的にどのような解決策を取ればよいのかがまとめられています。以下はその一例です。

『世話をするのがしんどい』

視力や握力が低下してペットの爪切りが難しいとか、足腰が弱ってペットの散歩が大変になってきたという人は、積極的にペットシッターを利用する。

『ペットが心配で入院できない』

自分の検査入院が必要だと医師から言われているがペットがいるから入院できないとか、怪我で自宅療養中、ペットの世話をどうしてよいかわからないという人は、ペットホテルを利用したり友人知人に頼む。

『ペットの介護が必要になった』

歩行困難や認知症など介護が必要となったがどう対応したらよいかわからないとか、ペットの健康に不安があるが動物病院に連れて行く負担を考えると迷ってしまうという人は、動物病院に相談する。介護に関するアドバイスをくれたり、場合によっては往診をしてくれる。

『自分の死後が心配』

自分が死んだ後、ペットの行く末が心配だという人は、老犬ホームやペット共生型の住居を見つける。こうした施設は仮に飼い主が先に死んだとしても、残されたペットの面倒を見てくれる。またペットのための遺言を残したり、ペット信託を利用して後見人を見つけておく。

『飼い続けることができない』

肉体的、経済的な理由によりどうしてもペットを飼い続けることができなくなった人は、安易に行政機関に持ち込むのではなく、新しい飼い主を探す努力をしたり、動物愛護ボランティアに相談する。

高齢者におけるペットの入手法には、自分でペットショップに買いに行くというルートほか、家族がプレゼント感覚で買い与えるというルートもあると考えられます。いずれにしてもペットショップには、動物保護団体が設けているような「同居人がいない人には譲渡できません」といった厳格なルールがあるわけでは無いため、後見人がいない独居老人でも簡単にペットを手に入れることができてしまいます。こうした流通形態が高齢者による飼育放棄の一因となっていることは間違いないでしょう。

飼ったら迷子にしない


毎年全国では5万頭以上の犬が迷子犬として保護されています。犬が迷子になる理由としては、雷や花火に驚いて逃げ出した、散歩や旅行先でいなくなった、ドアや門の隙間から逃げ出したなどのほか、放し飼いにしていたらいなくなった、という悪質なものもあります。
まずは迷子にしないことが重要ですが、万が一犬が迷子になったときに備え、迷子札やマイクロチップなどを装着しておくことも同じくらい重要です。迷子で収容された犬の多くは、収容期間内に飼い主と再会することができません。こうした迷子犬の数を減らすことが、殺処分数を減らすことにつながるでしょう。

迎え入れるなら保護施設から


ペットを飼いたいと思ったとき、まず真っ先に「ペットショップ」が思い浮かんでしまうのが現状だと思います。ショップの代わりに「動物愛護センター」や「保健所」が真っ先に来るようにしなければ殺処分数はなかなか減らないでしょう。ドイツ・ベルリンにある犬猫の終生保護施設「ティアハイム」(tierheim)  「ドイツの犬はなぜ吠えない」(平凡社新書)によると、ドイツの「西ドイツ放送協会」では、犬の里親を探すテレビ番組があり、ドイツ全国に推定500~700あるといわれる「ティアーハイム」(tierheim直訳すれば動物の家)では、保護された犬が終生飼養され、随時里親を受付中だといいます。そして国民の多くも、当たり前のようにこうした保護施設に真っ先に足を運び、当たり前のように寄付をするというスタイルができあがっているそうです。

 


日本の動物愛護センターも、独自のホームページを開設したり動物愛護週間(9月20日~26日)などを設けて告知に努めていますが、まだまだ認知度が足りません。犬や猫を飼いたいと思ったら、まずは保護施設から引き取るという選択肢を思い浮かべ、またこれからペットを飼おうとしている友人知人にも、こうした施設の存在を告知してあげることが、殺処分数を減らすことにつながるでしょう。

命あるものを衝動買いしない


ペットと出会って24時間の内に衝動的に購入してしまう人の割合は、およそ13.5%と推計されています。しかし、こういう衝動買いをした人の一部には、「鳴き声がうるさくて…」とか「うんちをトイレにしてくれない…」とか「赤ちゃんが生まれたので…」など、言い訳にもならないようなことを理由にして、飼育放棄してしまう人がいます。

飼う際に必要な様々な条件、飼育費用、犬の問題行動、老化などの現実的な負担を、たった1日で全てシミュレーションしきることなどできません。自分がペットを飼うにしても、友人知人が飼うにしても、まずは条件が整うまで飼わないという自制心が重要です。

犬を飼うために必要な条件は、また後ほど見ていきたいと思います。

犬の殺処分はどうしたら減らせるのか?


一人ひとりが意識を持つことです。

犬猫殺処分数の約2割を占める飼育放棄に関しては、一人ひとりの自覚を高めることで、今すぐにでも減らすことができるはずです。また迷子予防や繁殖制限など、飼い主の側でできる実際的かつ効果的な方法はたくさんあります。具体的には以下のような方法です。

①まずは現実を知ること

②衝動買いしない

③犬は保護施設から

④迷子にしない

⑤飼ったら捨てない

⑥安易に増やさない

⑦ボランティア・寄付をする

殺処分減少のために、どうしていけばいいのか、項目毎に見ていきたいと思います。

まずは殺処分の現実を知ること


毛皮産業の実態を知ることで毛皮に対する見方が変わるのと同じように、殺処分の実態を知ることで「ペットを飼う」ということに対する見方が変わるはずです。まずは目をそむけず、殺される動物たちの現実を知ることが最初のステップになります。

以下でご紹介するのは、動物愛護や殺処分に関連した書籍です。

『子犬工場』大岳美帆/WAVE出版


しないほうがいいことを全てやってきたと告白する著者が、反省の意を込めて送るメッセージは「買わないことで救える命がある」。悪徳繁殖業者、犬をモノとして扱うペットショップ、自分勝手な理由で犬を飼育放棄する飼い主など、現代のペット業界にある暗部を平易な文章で描写していく。ペットショップにいく前に、子供も大人も読んで頂きたい本です。

『ある犬のおはなし』kaisei/トゥーヴァージンズ


飼い主に捨てられた1頭の犬の目から、殺処分の現実を見つめる。冷たい金属ボックスの中に、少しずつ炭酸ガスが注入されていく様子は、決して「安楽死」などではないというメッセージが伝わってきます。

『ゼロ!熊本市動物愛護センター10年の闘い』片野ゆか/集英社


熊本市動物愛護センターでは、毎週火曜と金曜が殺処分の日だった~「仕事だから」では割り切れない怒りと悲しみを原動力に、多くの人が鼻で笑う「殺処分ゼロ」を実現するための10年に渡る挑戦が始まった。

『ペット殺処分』小林照幸/河出書房新社


二酸化炭素を注入して犬たちを緩やかに窒息死させる殺処分装置「ドリームボックス」。ここに入れられた犬たちは、果たして本当に「ドリーム」を見ているのだろうか?動物愛護センター職員の苦悩を追う物語風ノンフィクションです。

『犬を殺すのは誰か』太田匡彦/朝日新聞出版


悪徳ブリーダーのもとで「生産」された子犬たちは、ペットオークションという醜悪な形態を経由して、「消費者」の元に届けられる。流通過程で犬を苦しめているのは拝金主義の繁殖屋か、それとも需要を生み出している消費者か。ペット流通の闇を概観できる入門書です。

『殺処分ゼロの理由 熊本方式と呼ばれて』松田光太郎/熊日情報文化センター


「犬を持ち込む飼い主への説得」、「適正飼育に関する啓蒙活動」、「迷子札装着の推進」など、今日では当たり前とも思える数々の対策は、いつしか「熊本方式」と呼ばれるようになり、殺処分減少の方程式として広まって行きました。

犬の殺処分はどこで行われるのか?


各都道府県の動物愛護センター、及び保健所です。

『動物愛護センター』と聞くと、あたかも捨てられた犬や猫を保護して愛護してくれる施設だと思いがちです。 しかし実際は動物愛護センターとは一定期間捨て犬や捨て猫を保護した後、殺処分する施設という側面を持っているのが現実です。

保護された犬や猫は、原則として3日以内に飼い主から返還要求が出されない限り、殺処分されます。具体的な日数は自治体によってまちまちですが、自治体における犬・猫の引取り等の業務実施状況内の「保管日数」という項目を見れば分かります。捨て犬や捨て猫を殺すための設備、死体を焼却するための燃料費、及び殺処分に要する人件費は全て税金でまかなわれます。私たちが一生懸命働いて稼いだお金が、一部の自己中心的な飼い主のために浪費されているとのが現状です。

無責任な飼い主による、保健所や愛護センターへの持ち込みは、前出のブログでお話ししましたが、その他、ペットショップなどで売買される流通過程で死んでしまう数が、「23,181頭」という膨大な数に達することも最近の調査で明らかになりました。これは殺処分問題に匹敵するくらい深刻な問題です。

元データとなったのは、2013年9月に施行された改正動物愛護法により、ペット関連業者に提出が義務付けられた「犬猫等販売業者定期報告届出書」。「犬猫等販売業者定期報告届出書」に死因については報告義務がないため、2万匹を超える犬や猫たちが一体どのような理由で死に至ったのかはわかりません。しかし、こうした死亡数を押し上げている原因は、オークションを経由して、まるで野菜のように次から次へとペットショップに犬を送り出している日本のペット産業にあります。

犬の殺処分はなぜ行われるのか?


犬を捨てる飼い主がいるからです。

環境省が毎年発表している、犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況を調べると、迷子になった末殺処分される犬のほか、飼い主が行政機関に持ち込むことによって殺処分される犬が、かなりの数に上ることが分かっています。

ではなぜ飼い主たちは、いとも簡単に犬を捨ててしまうのでしょうか?

『引越し先がペット禁止なので』

『犬が大きくなって可愛くなくなったから』

『予定外の出産で、たくさん子犬が産まれてしまったから』

『面白半分で繁殖したけど、子犬のもらい手がいないから』

『言うことを聞かず、うるさいだけだから』

『経済的に余裕がないから』

『老犬の介護がしんどくて』

『ブリーダーをやめたので、犬たちが用済みになったから』

『夏休みで長期の旅行に行くから』

『思っていたより臭いから』

『飼い主が他界して面倒を見る人がいないから』

などがよくある理由ですが、どの理由をとっても、飼い主の側に知識や予測さえあれば防げるものばかりです。つまり犬や猫を捨てることに元来理由などなく、捨て犬・捨て猫とは飼い主の無責任と無知の代償を、犬や猫に押し付ける行為なのです。

犬の殺処分について


毎年何万頭にも及ぶ犬や猫が、殺処分(さつしょぶん)され続けています。ペットブームの裏側に潜(ひそ)む暗い話ですが、問題を解決へ導くためには、まずひとりひとりが現実を直視しなければならないでしょう。

毎日270匹近くの犬猫達が「処分」されていく現状。

なんとかしたい、何かしたいと思っている人はたくさんいるはずです。

動物はものじゃない。
命の重みをもう一度考えて欲しい。

つらい現実から目を背けず、真っ向から向き合い理解する事で、一つでも命が救える。
殺処分ゼロを目指して、私達が出来る事は何かを一緒に考えませんか?

『犬の殺処分はどのように行われるのか?』

『犬の殺処分はなぜ行われるのか?』

『犬の殺処分はどこで行われるのか?』

『犬の殺処分はどうしたら減らせるのか?』

『犬の殺処分の現状と今後』

『動物愛護関連書籍』

殺処分について、実態をご紹介していきたいと思います。