ある日、近所に住んでいるお兄さんが、突然飛び降り自殺をした話

激しく震える手の動きにしたがって、前方を照らしたままの懐中電灯の光が本棚のガラスに反射する。

光を与えられたガラスは、鏡の役割をはたして、根岸さんの背後にあるものを一瞬、映し出した。

白っぽい–いや、ドロリとした灰色に近い、垂れて崩れたような形のもの。

それが、廊下の暗がりの角にちらり、と見えた。

……………ぺたん!

根岸さんは、何事かわめいていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です